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2005.11.12

絶対少年#25「世界の被膜が穴だらけ」

ヒロインが風呂入らないうちにクライマックスを迎えてしまいました。
こんなアニメありでしょうか(風呂にこだわってますか?)。

「未知との遭遇」のマザーシップの飛来予定地にコンタクティーたちが呼び寄せられたように、歩と希紗、それに関わる限られた人間だけが、横浜上空の回転する巨大物体の下へと集まっていきます。
「未知との遭遇」では、宇宙人という形をとってはいますが、物語的にはあれは「あちら側」の世界への招きの象徴であって、主人公はそれに応え、崩壊した家庭を見捨てて旅立っていきます。

田菜では、わっくんからの「あちら側」への誘いを、歩はいったん受け入れかけながらも結局は我々のこの世界に踏みとどまりました(歩くんの家庭も崩壊しています。もっとも、歩の両親は離婚はしていますが結構いい人たちで、希紗の両親のように本質的に冷淡な人たちではありませんが)。

希紗には、どんな選択が提示されるのでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

臨港パーク。
巨大物体の真下。見つめ合う希紗と歩に、口を差し挟むりえぞー。
「あんたの言ってること、意味不明なんだけど」
「うん・・・そうだね」
「ケンカ売ってんの?」
でました。りえぞーの18番「ケンカ売ってんの?」。マッキーも言われてましたな。売られたケンカはいつでも買うぜとでも言いたげなこのバンカラっぷりが、視聴者をして「いい子」とか「委員長キャラ」だとかいう作中でのりえぞー評価を「ウソでー」と思わせる一因のような気がします。
「まさか」と答える歩、そりゃそうです。
「だったら・・・」
「いい。大丈夫。・・・話したいこと、あるし」と割って入る希紗。
「あっそう」憮然とするりえぞー。
「ごめん」とりえぞーに謝る歩くん。
「なんであんたが! てか、謝るくらいなら、最初から訳分かんないことすんな! ・・・もう、二人ともおかしいって!」
「なんで、ここに?」りえぞーに構わず話を続ける希紗。
コミュニケーション能力にちょっと難のある希紗と歩の間にコミュニケーションが成り立っていて、一番コミュニケーション能力のあるはずのりえぞーが、ズレたこと言いまくって浮きまくってるこの状況、なんだか面白いです。まありえぞーって案外空気の読めない方ではあるんですけど、たとえ空気を読むことにもっと長けた人がいたとしても、読むべき空気の依って立つ基盤の壊れているこの状況では、適当に相づちを打つ程度のことしか出来ないでしょうね。
だったらむしろ、食って掛かるりえぞーの方が話を進めてくれかも。・・・邪魔してるような気もしますが。

歩は、「どっしる」と「しっしん」のこと、「オカカ婆ァ」のことを希紗に話します、でも、田菜からはるばるやってきた「どっしる」と「しっしん」が結果として希紗の「ブンちゃん」を破壊してしまったことは、取り返しのつかない事実だというのでした。
「なんであんなことが起こったのか・・・」
「言わないで」と希紗。
「希紗! もう帰ろう!」と割り込むりえぞー。
「過去は変えようがないけど、それでもまだ、自分に出来ることがあるはずだと思って、それで、きみを待つことにしたんだ。ただぼんやりと『その時』を待つんじゃなくて、積極的に待つこと。前に、そうやって僕を待っててくれた友達がいたから・・・」
「積極的も何も、待つってそもそも受け身じゃん・・・」
りえぞー、あんた邪魔です。でもナイスツッコミ。でももちろん二人はシカト。
「だから僕は、こうして、ここにいる。そして、谷川さんは来てくれた」

日も暮れて、桜木町駅にようやくたどり着いた成基は、そこでマッキーと落ち合います。おそらく谷川も理恵子ちゃんもあの(巨大物体の)下にいるというマッキー。
「行くの? 立ち入り禁止でも」
ずいぶんとしっかりした態度のマッキーに「変わったな、マッキー」という成基。
「変わるよ。いろいろあったもん」
「希紗に、俺はもうこれ以上辛い思いも悲しい思いもしてほしくない。行って何が出来るかなんて分からない。でも、行かなきゃ何も出来ない。だから、あそこに希紗がいるんなら、俺は行く」
スカワラさんと落ち合ったらすぐに後を追うというマッキー。
希紗の「ブンちゃん」がフェアリーのようなものに変わったことをマッキーに言い残し、希紗たちを追って先に行く成基。

一方、臨港パークの三人。
「見てほしいものがあるの」と言って、歩み寄ってリュックの中身を歩に見せる希紗。それを覗き込むりえぞー。
リュックの中のハネタマゴに少し驚く歩。
「生まれたの・・・この子」優しい表情でリュックの中のそれを見る希紗。
「・・・今思いついた。『ポーちゃん』。ポーって光るから、『ポーちゃん』」
初めてそれを見たりえぞーは、以前目撃した追われてる方に似ていると言います。
「でもそれってブンちゃんと逆だし・・・ だって、ブンちゃんは・・・」少し混乱する希紗。
その時、上空で、寒色系の光が暖色系の光を追い回し、激しい光を放って激突する光景が。
「嫌!」『ポーちゃん』の入ったリュックを庇ってうずくまる希紗。
光が活発になった上空の巨大物体を見て「ちょっと・・・ これ、やばいんじゃない?」というりえぞー。
「いや・・・一人にしないで、『ポーちゃん』まで連れてかないで」うずくまって震える希紗。
「希紗、ここ、離れた方がいいよ。危ないって! ほら! そこの人も早く! ねえったら!!」
りえぞーの言葉が聞こえないかのように上空を見上げる歩。

希紗とりえぞーが突破したあとを見つけて封鎖線の内側に入った成基は、いきなり「どっしる」と「しっしん」に出くわします。
「やんのか!?」扇子で応戦する成基。しかし、ついて来いとでも言いたげに誘う「どっしる」と「しっしん」の様子に、あとについていくことにする成基。

桜木町駅で待っていたマッキーは、交通規制のため走って現場に向かっているスカワラさんからの電話を受けますが、ひどくなった電波障害のために電話はすぐに不通に。

希紗の手を引いてこの場を離れようとするりえぞー。しかし、希紗はりえぞーの手を振り払います。
「行かない」
「危ないって!」
「そうかな? ホントにそうなのかな?」
「常識で考えなよ!」
「常識で考えたら、これ(巨大物体)って、存在しなくない?」
「そんなの屁理屈」
「違う、そういうんじゃなくて・・・ もっと・・・」
「僕もそう思うよ」と歩。
「谷川さんと同じ。常識だけで考えちゃいけないと思う」

桜木町駅に着いたスカワラさんは、伝言板にマッキーの書き置きを見つけ、返事を書き込んで後を追います。
『みんなが心配なので先に行きます。あの場所で会えるはず! まかべ』
『了解!(す)』

「常識ってのはそもそも、その土地、その時代の、最大公約数にすぎない。前に父さんからそう言われたことがある。常識が正しいとは限らないし、逆にそれが邪魔して、真実が見えなくなることもある」と歩。
「そりゃそうかも知んないけど、この際、真実とかどうでもよくない?」
そう言えば「どうでもいい」もりえぞーのお得意のセリフですよなあ。
「よくない。私、知りたいし。それでここ来たんだもん」と希紗。
「僕も、ここで何が起こるのか、もう少し見ていたい」
「うん」
「(ため息)・・・知ってるよ。希紗が『超』がつく頑固なの」
「そう?」
「そうだよ! もう、あきらめて私もつきあう。でも、一個だけ約束して。ホントに危ないと思ったら、とっとと逃げる。いい?」
「うん・・・ でも、それじゃ手遅れだったりして」とちょっと笑う希紗。
「やなこと言わない!」

物陰に隠れて寒色系の光の様子をうかがっていたマッキーは、後ろからスカワラさんにいきなり肩をつかまれて超びっくり。
発光現象をカウントしていて得たデータをスカワラさんの携帯に送信しようとしたマッキーでしたが、携帯が壊れてしまいます、記憶媒体のminiSDカードもスカワラさんの携帯の機種に合いません。
「・・・ダメだなあ。スカワラさんに、いいクリスマスプレゼントできると思ったのに」
「お! 嬉しいねえ」
「でも、渡せない」
「いいよ。信用してるから、口で説明してみて」
発光現象の時間ごとの発生頻度が、等比級数で増加しているというマッキー。
「何かの前兆かも」
「これが、動くとか・・・」

一方「どっしる」と「しっしん」に先導されて歩く成基。「どっしる」と「しっしん」は寒色系の光の群れが来ると物陰に隠れて避けながらも、成基を導いていきます。

スカワラさんと一緒に現場に向かうマッキー。
「僕、スカワラさんと出会えてよかったです。ゲームより楽しいことがあるの、知りました。楽しいです。感謝してます。だから、仕事のお手伝いも、・・・そうじゃなくても、ずっとご一緒したいです」
「で? それが何?」
「いや、あの、今、僕、告白したんですけど・・・」
「お?」
足を止めてマッキーを振り返るスカワラさん。
「スカワラさんのこと、好きなんです。・・・僕じゃ、ダメですか?」
おお、マッキーまたも告白。りえぞーに秒殺されて間もないというのに。
じっとマッキーの顔を見つめるスカワラさん。真剣な表情です。
「んー、年下興味なし! バカなこと言ってないでさっさと動く!」
「やっぱし・・・」
ああ、マッキー失恋2連発。このまま49連発を目指して寅さんを抜いてください。
「あ、そうだ」
「今度は何?」
「小早川に聞いたんだけど、谷川さんとこの『あれ』、フェアリーに変わったそうです」
「変わった!?」

希紗たち三人のところに現れる「どっしる」と「しっしん」。遅れて成基が走ってきます。
「遅くなった。制限時間、間に合ったか?」
「ギリギリだよ」
「何のこと?」
「こっちの話」
「りえぞー、ありがとな。・・・希紗、大丈夫か」
「うん」
希紗と成基の方を見たくないりえぞー。ちょっと悲しい顔です。
「で、どういう状況なんだ?」と歩に問いかける成基。
「どっから話せばいいかな」
「えと、『ポーちゃん』のこと、話した」
「『ポーちゃん』? ・・・名前、つけたのか」
「うん」
「ポーちゃん」の入った希紗のリュックに興味深げに寄ってくる「どっしる」と「しっしん」。「ポーちゃん」はリュックから出ようとします。
「おとなしくしてて、出ちゃダメ!」
リュックごと希紗の手から飛び出し、リュックを払い落として姿を現す「ポーちゃん」。
「ブンちゃん」の時とは打って変わって、仲良さそうに「どっしる」「しっしん」と飛び回る「ポーちゃん」。
「なんか、楽しそうだな」
「うん」
おりてきて、りえぞーの周りを飛び回る3体。「ポーちゃん」に笑いかけるりえぞー。
さらに、3体はスカワラさんとマッキーを迎えにいきますが、不運にも寒色系の発光体の集団に発見されてしまいます。

追われて逃げている3体を見て、自転車で後を追う歩。
「俺らも追うぞ」希紗の手を引く成基。
一人取り残されたりえぞー。成基が来ちゃったらなんだかいらない子扱いです。
「最後まで、つきあうさ・・・」
「理恵子ちゃん! 理恵子ちゃん、大丈夫?!」そこへ駆けつけるマッキーとスカワラさん。
「マッキー・・・」
マッキーの顔を見て半泣きになるりえぞー。
「遅い・・・」
「ごめん」
「光は?」とスカワラさん。
「あっち」
マッキー惜しかったですね。今告白したらりえぞーを落とせたかもですよ。それどころじゃありませんけど。

寒色系の光(スカワラさん言うところの『マテリアルイーブル』)の群れに寄ってたかって攻撃される3体のフェアリー。「どっしる」が、「しっしん」が、激しい光を放って消滅します。最後に残った「ポーちゃん」。必死に逃げ回りますが・・・
「『ポーちゃん』!! 逃げて!!」
ついに寒色系の群れに捕まり、激しい光を放つ「ポーちゃん」。割れた陶器のような白い破片を海に飛び散らせます。

がっくりと膝を落とす希紗。あわわ、「ポーちゃん」までこんなにあっけなく惨殺されてしまうとは、残酷な物語です。

上空の異変に気づくマッキー。
「ん? なんか・・・ あれ、降りてきてません?」
巨大物体は徐々に高度を下げてきていました。
「ちょ・・・ これって、ホントに危ない状況なんじゃない?」とりえぞー。
「じゃあ、どこなら安全? あれがホントにヤバいもんだったら、関東一円、安全な場所なんてありゃしない」
スカワラさん、また勝手な決めつけを。単に落ちてくるだけなら、危険なのは真下だけじゃないですか! 関東一円ってどこから来た理屈ですか?
「事件だよ、事件! ここまで来て、見逃すか!」
いかん、スカワラさん興奮で声が上ずってますよ、「血が騒ぐ」ことを何よりも求める女だったことをすっかり忘れてました。

「『ポーちゃん』は、元は『ブンちゃん』で・・・『ブンちゃん』は『ポーちゃん』の仲間にやられて・・・『ポーちゃん』は『ブンちゃん』の仲間にやられて・・・」
膝を落としたまま、答えを求めるようにつぶやく希紗。

そのころ、どこかの幼稚園。
幼稚園の園内の建物といわず遊具といわず、いたるところから、暖色系の光が生まれ出て来ようとしていました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お気づきの方はそれこそ星の数ほどいらっしゃると思いますけど。

先入観を避けるために意図的に作中での言及は避けられていますが、暖色系の光と寒色系の光、マテリアルフェアリーとマテリアルイーブルのの相克は、東洋思想で言うところの「陰と陽」の相克そのものですね。

陰と陽の関係は対立ではなく、「対待」であり、陰は陽に、陽は陰に転変するといいます。互いにぶつかり合いながら相互に変容するフェアリーとイーブルは、転変する陰陽そのもののようでもあります。

以前、マッキーが寒色系を「イーブル(邪悪な)」と名付けたスカワラさんに疑問を呈していましたが、確かに、お互いに本質的な善悪正邪の対立はないような気がします。

もしかしたら、空に現れた巨大物体は、陰と陽の循環を象徴する巨大な「太極」そのものなのかもしれません。

さて、この物語も次回で終わり。彼ら彼女らにどういう結末が訪れるのでしょうか。時間も40秒延長だそうで、決められた放送時間を超過してまで描かれるものを、心して待ちたいところです。

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